簡単にすることと解くことは、別の作業
式を簡単にするとは、値を変えずに式を書き直すことです。たとえば 3x と 2x は同類項なので、3x + 2x − 4 は 5x − 4 になります。x の値は出ません。方程式を解くとは、2つの式が等しくなる値を見つけることです。5x − 4 = 11 なら x = 3 です。最後の行に何を書くかは、問題の指示を確かめてから選びます。
恒等式は、文字の許される値のすべてで成り立ちます。2(x + 3) = 2x + 6 は、実数の範囲での恒等式です。2x + 6 = 14 のような条件付き方程式は、その解のところでだけ成り立ちます。この区別は、計算の途中で文字が消えたときに大切です。文字が消えたからといって、自動的に x = 0 になるわけではありません。
両辺に文字がある方程式を解く
5x − 4 = 2x + 11 を考えます。文字の項を一方にまとめるため、両辺から 2x を引きます。3x − 4 = 11 です。両辺に4を足すと 3x = 15 です。3で割ると x = 5 です。確かめには、もとの方程式を使います。左辺は 25 − 4 = 21、右辺は 10 + 11 = 21 です。
ほかにも2つの結果がありえます。4x + 2 = 4x + 9 では、4x を引くと、成り立たない式 2 = 9 が残るので、解はありません。4x + 2 = 2(2x + 1) では、展開して簡単にすると 2 = 2 が残るので、すべての実数 x で成り立ちます。解を答える前に、残った式を読みます。
かっこをいつ展開するか選ぶ
3(x − 2) = 15 では、先に3で割ると x − 2 = 5 が残り、x = 7 です。先に展開すると 3x − 6 = 15、それから 3x = 21、x = 7 です。どちらの道も等式を保ちます。ここでは、かっこ全体が同じ0でない数をかけられているので、先に割るほうが短いです。
分配では、すべての項とその符号を入れます。−2(x − 3) = −2x + 6 です。代入すると、まちがった展開が見つかります。x = 4 のとき、もとの式は −2 になり、−2x + 6 も −2 になります。まちがった式 −2x − 6 は −14 になります。一致する値が1つあれば、まちがいに気づけることがあります。ただし、それだけでは、すべての x について恒等式だと証明したことにはなりません。
項を失わずに、分数をはらう
x/3 + 2 = 5 では、両辺に3をかけます。左辺の全体にかけると x + 6 = 15 になり、x = 9 です。x/3 だけにかけると x + 2 = 15 になり、これは別の方程式です。代入で確かめます。9/3 + 2 = 5 です。
文字が分母にあるときは、方程式を変える前に、その分母を0にする値を書き留めておきます。1/x = 2 では、x は0になれません。解は x = 1/2 です。もっと複雑な分数方程式では、もとの制限に反する候補が出ることがあります。最後の確かめのため、最初の方程式を残しておきます。
直線のグラフと、その方程式をつなぐ
y = 2x + 1 では、切片は1です。x = 0 とすると、点 (0, 1) になります。傾きは2です。これは、x が1増えると y が2増えるという意味です。点 (1, 3) と (2, 5) も、同じ関係を満たします。見た目の傾きで直線を判断する前に、軸の目盛りを読みます。
簡単な連立方程式では、y = x + 1 と y = 2x − 2 は、x + 1 = 2x − 2 となるところで交わります。これで x = 3、y = 4 です。(3, 4) を、もとの両方の方程式で確かめます。一方の方程式でだけ成り立つ点は、連立方程式の解ではありません。
理由を言えない最初の移りについて聞く
2つの行を比べます。5x − 4 = 2x + 11 と 3x = 7 です。x の項をまとめたのは妥当でしたが、定数のまとめ方はまちがっていました。2x を引くと 3x − 4 = 11 になり、それから4を足すと 3x = 15 です。残りの計算を確かめる前に、その移りを直します。直した解は x = 5 です。
未知数をふくむ式で割るとき、別の危険があります。x(x − 3) = 0 を x で割ると、気づかないうちに x = 0 を除いてしまいます。代わりに積が0になる条件を使います。x = 0、または x − 3 = 0 なので、x = 0 または x = 3 です。どちらの値も、もとの方程式を満たします。割る前に、割る式が0になりうるかを判断します。
Lirnoに途中式を見てもらうときは、もとの方程式と、疑わしいまちがいの前後2行を入れます。どの操作が解の集合を変えるかを聞きます。その質問で、計算のうっかりと、正しい解を失う変形とを見分けられます。



