系と、求められている量を特定する
運動の問題も、力の問題も、エネルギーの問題も、同じ物体を扱いながら、必要なモデルは違うことがあります。問題が求めているものを書き、与えられた量を単位とともに列挙します。経路や力のスケッチから、どの関係が当てはまるかが見えてきます。
入門の力学では、述べられた仮定を見えるところに置きます。質量が一定、加速度が一定、抵抗は無視できる、などです。式がこれらの仮定のどれかに依存するなら、その仮定も説明に入れます。合わないモデルを使った正しい計算は、物理の問題の答えにはなりません。
平均の速さと平均の速度を区別する
平均の速さは、経路の全長を経過時間で割ったものです。平均の速度は、向きも含めて、変位を経過時間で割ったものです。50 s のあいだに 100 m 行って 100 m 戻る走者は、平均の速さが 200/50 = 4 m/s です。ただし終わりの位置が初めの位置と等しいので、平均の速度はゼロです。
自転車の例では、30 s で 150 m から、平均の速さ 5 m/s が得られます。この合計からは、特定の瞬間の速さは決まりません。瞬間の速さを求めるなら、適切なグラフ上の、その場所の傾きのような、追加の情報が必要です。
傾きを使う前に、グラフの軸を読む
時間に対する進んだ距離のグラフでは、傾きが速さを与えます。(10 s, 20 m) から (30 s, 80 m) までの直線部分の傾きは (80 − 20)/(30 − 10) = 3 m/s です。この部分は原点よりあとから始まるので、80/30 ではなく、両端の間の変化を使います。
位置と時間のグラフは、進んだ距離ではなく位置を使います。その傾きは速度で、負になることもあります。速度と時間のグラフでは、傾きは加速度で、区間の符号つきの面積は変位になります。縦軸の量が変わると、同じ右上がりの直線でも意味は違います。
ニュートンの第2法則では合力を使う
慣性系で、質量が一定の物体では、外力のベクトル和は Fnet = ma です。2 kg の台車に、右向きの水平な力 10 N と、左向きの反対の力 4 N があるとします。右を正とすると、Fnet = 10 − 4 = 6 N なので、加速度は右向きに 6/2 = 3 m/s² です。
加えた 10 N の力だけでは、合力ではありません。力の図には、選んだ物体にはたらく力と、関係する向きを入れます。鉛直方向の力はつりあっていても、水平方向の力はつりあっていないことがあります。符号つきの成分を計算する前に、軸の正の向きを述べます。
述べた条件のもとで、仕事とエネルギーをつなぐ
変位と平行な一定の力では、仕事は力と変位のかけ算です。同じ向きに 3 m はたらく 6 N の力は、18 J の仕事をします。力が斜めを向くときは、変位に沿った成分が重要です。一定の力の一般の関係は、W = Fd cos θ です。
地球の表面の近くでは、g が実質一定とみなせるとき、重力による位置エネルギーの変化は ΔU = mgΔh と表せます。g = 9.8 m/s² で 2 kg を 1.5 m 上げると、29.4 J になります。エネルギーの値を比べる前に、高さの変化とモデルを述べます。
換算と確認を通して、単位を運ぶ
54 km/h を m/s にするには、1000 m/km をかけ、3600 s/h で割ります。54 × 1000/3600 = 15 m/s です。単位を約分すると、なぜこの順になるかがわかります。N/kg は m/s² と同じなので、力を質量で割ると加速度になります。
求められている量、符号、単位、もっともらしい桁を、それぞれ別に確かめます。単位を確かめると、まちがった式に気づくことはできますが、選んだモデルが状況に合うことの証明にはなりません。計算ではなくモデルが不確かなときは、図と、試した立式をLirnoに持っていきます。
複数の力が仕事をするときは、エネルギーの収支を使う
一定の水平力12 Nで箱を右へ3 m動かします。運動と反対向きに、一定の摩擦力4 Nが働きます。押す力の仕事は+36 J、摩擦力の仕事は−12 Jです。仕事をする力がこの二つだけなら、合計の仕事は+24 Jとなり、箱の運動エネルギーは24 J増加します。
質量 2 kg の箱が静止から動き始めるとき、ΔK = ½mv² より 24 = ½ × 2 × v² なので、v = √24 ≈ 4.90 m/s です。力で確かめると、合力は 8 N、加速度は 4 m/s² です。同じ、力が一定の条件で v² = 2as = 24 と一致します。押しだけを使うと、摩擦によって移動したエネルギーを見落とします。



